ずっと、手術を勧められていたのですが、まだまだ、と思っていました。が、片方の目のレンズがかなり曇ってきて、眼鏡で調整できなくなってしまった。。。観念しました。
私の年齢でも珍しくなく、前後の世代の方々の手術を受けたお話を聞くと、「あっという間に終わって、とってもよく見えるようになったわ~。」と、おっしゃる。
とはいえ、レンズを交換するんだから、目に注射するよね?とか、切開するよね?とか、いろいろ考えてしまう。。。いやいや、まあ、歯医者とって右下8番の埋伏抜歯ぐらいの手術なんだろうけれど、それだって、患者さんによっては、リスクはあったりする。あ~、考えるときりがない。。。。
とりあえず、前々日は、ワインを飲んだけど、入院する前日は、お酒を飲むのはやめておこう。
明日は、11時に受け付けという。ええっと、何時に起きて、何時に家を出ればいいんだろう?そんな事も計算できないほど、ちょっとナーバスになってるのか? と、自分にびっくりする。いやいや、落ち着け。グーグル君で検索しても、手術を受けた人の感想とか、書いてあるのを見つけられなかった。あー、まあー、しゃーない、まな板の上の鯉じゃい!
さて、当日朝起きて、ベランダのモヒートミント、バジル、ローズマリーに、ローリエ達にお水をあげ、「明日、帰ってくるから、元気にしててね」、と、声をかける。
(植物に声をかけるのは、異常ではないらしい。植物が話しかけてきたら、病院に行った方がいいらしい。)
病院について、受付を済ませ、病棟に上がる。ナースステーションで手続きをして、病室へ。
(ここで、ちょっとむっとすることがあったんだけど、ここでの主旨じゃないので、twitterでぶちまけることにします。)
病室で、着替えをして待ってると、12時になって、お昼ご飯がでたけど、一方で、看護婦さんが目薬を入れにきた。まずは、散瞳剤の点眼だそう。手術は午後2時からなので、1時、12時半、12時と3回、目薬を入れます、とのこと。午後1時頃には、静脈確保のために、点滴をするので、「それまでにトイレを済ませておいてくさいねー。」とのこと。ふむふむ、ルートを取るのね。つまり、なんかあった時に、血管を確保しておけば、すぐに薬が投与できるので、リスク管理ですね。
昼食は、あんまり入らない。食べ過ぎて、手術中に気分が悪くなって、吐いたりするんじゃないだろうかと思うと、あまり口に入れる気がしない。。。。うーん、緊張してきた。。。喉がいがいがするし。糖分が低いと、ショックを起こしやすくなるかもしれないから、ご飯ぐらいは、少し食べておこう。
さて、1時過ぎ、看護婦さんが点滴を刺しにきた。
どこに刺しますかね?
そうですね。
よく見れば、左手だと中心静脈と手の甲ぐらいは静脈が見えるが、他は見えない。右手はアノマリーで結構、いろいろなところに血管が浮き出てるんだけどな。。。2時までに万が一、トイレに行きたくなったときに、右手がふさがっているのは辛い。。。
うーん、ま、細いけど、ここが大丈夫かな?ちくっとしますよ~。
わー、さすがです。
その昔、はるか昔の若い頃、一応、臨床やってたんです。で、病棟当番というのがあって、その週は、朝夕の点滴当番で、患者さんの点滴を刺して回るんです。その当時は、まだ、留置針で置いておくというのではなく、毎日、刺してたんです。血管をぷすって、刺す感触、時々、味わいたくなるんですよね。
はあ、そんなことを考えても、気は散らない。落ち着こう。大丈夫だ。。。。
点滴を刺されて、鎖に繋がれた気分だ。スマホは、片手では操作しにくい。時間がたたない。もーやだ。。。
ようやく2時になって、看護婦さんが迎えにきた。「では、手術室に行きまーす。」
点滴台を持って、エレベーターに向かって廊下を歩いていく。歩きににくい。点滴台を持ってはスムーズに歩けないのね。なんか、実感。。。
さて、手術室は8F。だだっ広い廊下で、オペ場の看護婦さんに引き渡し。お名前、生年月日、手術する側の目はどちらですか? 同意書は間違いありませんか?と、一連の確認。
基本的には健康な人達だから、オペ室もストレッチャーではなく、普通に歩いて入り、イスに座って待つ。。。。
と、「血圧計と心電図を着けますね~」。
わー、マジ? やっぱり? あー、心電図つけて、ぴーん、ぴーん、ぴぴーんって、音が鳴るのよね。はあ、まな板の鯉になろう、鯉だ。私は鯉だ。。。。
「オペ室に移動します」
と、連れて行かれてみると、なんと、そこにはデンタルチェアーっぽいものが3台。
ほほー、やっぱり、歯医者のマイナーオペと一緒なんだ。
各チェア事には、オペシートで囲われているけど。
チェアに座り、タオルケットが膝にかけられて、上半身が倒れる。そして、酸素モニターが指に付けられる。
血圧計が稼働して、腕がしまる。心電図計が動き出して、ぴーん、ぴーん、ぴーんと、音がする。あー、血圧計に心電図に酸素モニターだよ。落ち着け、緊張してるのがばれないように。
目には、キシロカインを入れられる。最初の一滴はシミル!二滴目は大丈夫ですよって、言われるけど、シミルよ。3滴目、4滴目、なんとかなってきた。。。
院長の声が聞こえた。「さあ、じゃあ、始めますよ。」
顔にオペシートがかけられる。
「楽にしておいてくださいね。」
いやいや、楽になんか、できるわけないじゃないですか。両サイドのイスをぐっと握って、背中はぴーんと伸びてますがな。
右目だけ、術野からでて、まずは、消毒らしい。まずは、目をつむって、イソジンらしい綿球で消毒。さらに、目を開けて、シリンジに薄めたイソジンが目の上から降ってくる。。。。
「消毒しますよー。」
イソジンが降る。。。。。
「顕微鏡をセットするので、明るくなりますよ」
ひやあ、明るい。真っ白。
「もうちょっと散瞳したほうがいいな。」
「入れますか?」
「入れて。」
「じゃあ、始めますよ。大丈夫ですから、楽になさっててくださいね。」
いや、そうかもしらんが、楽になんぞできないって。
なんか、切開されている気がする。
そして、じゅるじゅる、、、。なんか、吸引しようとされている。
「吸わないな。確認して。」
「そうですか。どうでしょう?」
「だめだよ。代えます。」
「代えます。」
「水かけて。」
「はい。」
「水かけて。」
「はい。」
「水かけて。」
「はい。」
じりじり、じゅるじゅるじゅる。。。。
多分、超音波で粉砕しながら水晶体を吸ってるんだよね。。。
じりじり、じゅるじゅるじゅる。。。。
背中に力が入る。。。
「よし。」
お、水晶体を全部吸いきったのか。
「レンズ」
「はい。」
おお、人工レンズ入れるのね。
「これね。」
おー、レンズが入ったのか。なかなかの違和感。ひゃあー、こりゃあ、ころころする。慣れるのか、この感覚は。もそもそした感じともいうのか。
この違和感に気を取られていたら、
「はい。終わりました。うまく行きましたよ。」
ほええ、終わったってよ!いやいや、疲れた。。。
右目にはガーゼが貼れて、明日まではこのままだという。
チェアーが起きて、いろいろモニターは外されて、立ち上がる。
「お疲れ様でした。」と、後ろから院長に声をかけられるけど、後ろに向く元気はない。
「ありがとうございました。」と、正面を向いたまま、答えた。
終わって、外で、病棟の看護婦さんが迎えに来るまで、しばし待つ。。。先に手術が終わった人達もいて、待合室は満室。
うーん、このあたりが、重傷オペとは違って、気が楽だなあ。
病棟の看護婦さんが迎えに来てくれて、ベッドに戻るけれど、うーん、目の違和感が半端ない。
「この目の違和感は、慣れるんでしょうか?」
「洗浄したりしてるので、それもあって、違和感があるんだと思います。しばらくすると、落ち着きますよ。」
そうなのか。このごろごろというか、圧迫感というか。こりゃあ、日帰りだなんて、絶対に無理だったな。
ベッドに戻り、横になったら、看護婦さんが血圧を測りにきた。
138と68ですね。じゃあ、点滴外しますね。
ほ。点滴が外れて自由だ。
それにしても疲れた。緊張して体じゅうがバキバキ言いそう。トイレに行って、まずは寝よう。午後3時過ぎにベッドに戻って2時間ぐらい寝たようだ。なんとなく、違和感は治まってきた。
まあ、それから、夕食食べて、
午後8時には寝た。
となると、当然、目が覚めたのは午前1時半。。。。
それから1時間おきに目が覚める。
ようやく朝が来た。となりの病室に、看護婦さんがきて、ガーゼを取ってる様子が聞こえてくる。
そういえば、目の違和感、なくなってる。