ワイン好き・ねこのミーの庭 パート2「猫とワインと美味しもの」

いつの間にか60代一人暮らし。断捨離しつつも、日々を楽しみ、美味しいものを食べ、愚痴を書いてます。

新型コロナウィルスのワクチンのお話

久しぶりに、サイエンスのお話。

 

また、緊急事態宣言が出てしまいましたねえ。まあ、もともと、冬に繁殖するウィルスなので、予想はされていたことですね。日本も感染者、増えてますよね。

一方で、ワクチンの開発もすごい勢いで進んでいます。

驚くべきことは、モデルナのワクチン開発。これはきっと、後にドキュメンタリー映画になるに違いない。

《モデルナとは》

米国ボストンにあるバイオベンチャーです。

www.modernatx.com

 

モデルナとはいかなる企業か? ワクチン開発競争が示す、製薬業界の大転換 |ビジネス+IT からの一部抜粋

「モデルナの共同創業者はハーバード大学で幹細胞の研究を行っていたデリック・ロッシ(Derrick Rossi)氏。京都大学山中伸弥教授がノーベル賞を受けたiPS細胞の研究をもとに、ワクチンとしてより安全で効率的な手法を探った結果が、mRNAの成果に至ったと言われる。この技術を商用化するため、Flagship Ventures(現Flagship Pioneering)から投資を受け、2010年にモデルナの創業に至った。」

 

だそうです。

そして、オールアバウトサイエンスジャパン(https://aasj.jp/を運営する西川先生の論文ウォッチによると、

今回のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のワクチン開発のスケジュールのスピードたるや、すごいようです。2020年1月に新型コロナウィルス (SARS-CoV-2) の遺伝子配列が公表されて3日後に、今回のワクチンの設計を決定し、そのことを論文にして発表しているという。さらに、翌日には、GMPグレードでRNAの生産を開始し、翌月には動物実験を開始し、さらに、3月にはFDAに申請をしている。で、それも論文にしている。すべての開発を論文に出しつつ、製造も行い、申請をする。

いや、お見事!

ベンチャー企業がグローバルにコマーシャルするのは、論文発表が一番安価で効率がいい。さらに、安心される。大手企業とは異なる戦法としては、正解だと思います。

すごいのは、 モデルナが有効なワクチンのためのmRNAを設計した部位は、中和抗体誘導に適したタンパク構造を特定できたからだという。ウィルスが細胞への侵入前のスパイクに結合できる部位が最も安定しており、さらに、変異が入ることを想定した設計とのこと。

mRNAは、通常、すぐに分解されるが、化学修飾していて、体内に入ってもゆっくり分解されるが、タンパク質を投与するよりも、早くリンパ節に到達し、そこでたんぱくが作られ、抗体が作られるという。

そうだとすると、今後、この技術は様々に展開されるに違いない。

mRNAワクチンは感染症だけでなく、mRNA癌ワクチンの研究は、以前より進められており、臨床試験もすでに進められている。今回のモデルナの新型コロナウィルスに対するワクチンの効果が実証されれば、癌ワクチンの臨床開発は加速化されることが予想される。自己免疫疾患やアルツハイマーなどについても、RNAワクチンの開発が進んでいる。

別の話ですが、DNAシークエンスから、AIでタンパク構造を予測することができたことが、サイエンスでは昨年の10大ニュースに入っています。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2012/01/news053.html

 

つまり、

遺伝子配列がわかると、AIでたんぱく構造がわかり、それを見て、RNAワクチンをデザインし、合成して、動物実験して、効果を見る、安全性を確認する、市場するというのが、短期間で開発できる、ということを示唆している。

いやあ、研究開発のパラダイムシフトが起きそうな話だと、思う、今日この頃です。

 

 レアちゃんの写真も貼っておきます💛