目に入れても痛くないほど愛しい「共同パートナー」である、チンチラゴールデンのレアちゃん。 最近、ようやくいつものフードを完食してくれるようになり、私の心にも静かな安らぎが戻ってきました。
実はここ最近、彼女の身に深刻な「エラー」が発生していました。
引き金となったのは、引っ越し後に新しく通い始めた例の美容院(ペットサロン)でした。 なぜか、美容院に行った翌日になると、決まってぱったりと食欲が途絶えてしまう。
1回目は「環境が変わったからかしら?」と原因を特定できず。
2回目で「もしや、美容院自体がトリガーになっているのでは?」という仮説が浮上しました。
元研究者(PI)としての性分で、そのまま放置することはできず、3回目は原因という変数を突き止めるための「検証プロセス」として美容院へ向かいました。
だって、単なるシャンプーのストレスであれば、今後ずっと美容院に行けなくなってしまいます。 シャンプー剤が原因なら、違う成分のものに切り替える必要がある。 今後の彼女のQOL(生活の質)を守るためにも、どうしてもクリアにしておきたかったのです。
3つの仮説と、決定的な「トリガー」
私が立てた原因の可能性としての仮設は以下の3点でした。
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シャンプー剤の成分(舐め取りによる消化器への影響)
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シャンプー作業そのものによる強いストレス
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過去のトラウマ(PTSD的反応)
まず「仮説1」を検証・防止するため、今回は施術に付き添い、シャンプー剤を絶対に舐めないようエリザベスカラーを装着してもらうプロトコルを徹底しました。
帰宅当日のレアちゃんは、思いのほか元気そうに見えました。 「よし、これで今回はクリアできたかもしれない」と安堵したのも束の間。
本当のエラーは、翌朝に起こりました。
いつものように小分けにしたキャロットフードの皿を差し出し、彼女がその匂いを嗅いだ瞬間――。
「ぎゃぁぁーっ!」
静かな部屋に、聞いたこともないような鋭い悲鳴が響き渡りました。
レアちゃんは全身の毛を逆立て、目にも留まらぬ速さで逃げ出し、部屋の奥深くへと隠れてしまったのです。それからというもの、一切のごはんを拒絶するようになってしまいました。
「これは、単なる体調不良や体感的な不快感ではない。PTSD(過去のトラウマ)だ」
そう確信しました。
実はレアちゃんは、以前ブリーダーの元にいて、虐待に近い過酷な環境で育った背景(元保護猫)があります。そして今回通った美容院は、偶然にもブリーダーさんが運営するサロンでした。
多くの猫たちの声、サロンの匂い、ハンドリングの感触、空気感……それら全てが、彼女の脳内で「過去の恐怖記憶」を一気に呼び醒ましてしまった(フラッシュバックを起こした)のだと気づいたのです。
知っておきたい「猫のPTSD」とは?
人間と同じように、猫も大きなストレスや激しい恐怖体験によって、トラウマ(PTSDに似た症状)を抱えることがあるとされています。
気になってアカデミックな論文データベースを探してみたところ、個別の臨床論文は多くありませんでしたが、哲学・認知科学の総説論文において「PTSDは比較的新しい研究分野ではあるが、可能性を示す証拠がある。鳥類、犬、猫、牛、ネズミにも見られる」という記載を見つけました(Philosophical Topics, 2020)。
また、海外の獣医行動学サイト(Dutch, Veterinary Partner, WellnessWag, Cats.comなど)でも、正式な病名ではないものの、強い恐怖の後に長期的な行動異常や心理的パニックが続く状態として広く知られているようです。
見逃してはいけないPTSDのサイン
日常で以下のような変化が見られたら、心が悲鳴を上げているサインかもしれません。
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行動・性格の変化:隠れ続ける、異常な過警戒、攻撃的になる。
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身体・排泄のトラブル:食欲不振や急激な体重減少、粗相、過度な毛づくろい。
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感情の揺れ:急に鳴き叫ぶ(悲鳴)、人を避ける、あるいは不安から異常に甘える。
フードの匂いに対して悲鳴を上げて逃げ出したレアちゃんの行動は、まさに重度のPTSD反応そのものでした。
我が家で実践した「5つの回復プロトコル」
愛猫がトラウマに苦しんでいる時、焦りは禁物です。過剰で作動している脳の警戒系を、時間をかけてゆっくりと鎮めていく必要があります。
我が家で実践したケアは以下の5つです。
1. 「安全ゾーン」を作り、「大丈夫だよ」と呟き続ける
誰にも邪魔されない隠れ家として、私がいつも仕事をしているデスク下の荷物を整理し、すっと隠れられるスペースを作りました。 そして、抱っこをリクエストされた時には必ず優しく抱き上げ、「よしよし、大丈夫だよ」と何度も囁きました。しばらく胸の中で落ち着くと、自ら降りてごはんを食べに行ってくれるように。かなり甘えん坊になりましたが、精神的な安定に極めて効果的でした。
2. 日常の「ルーティン」を厳格に守る
ごはんの時間や遊ぶ時間を一定にし、生活の予測可能性を高めました。「次に何が起きるか分かる」という状態が、警戒モードを解除してくれます。
3. 刺激を最小限に抑える
生活音を静かにし、急な動作を避けました。目を合わせる時は、優しく目を細めてスロー瞬きを送るよう徹底しました。
4. 食事を工夫し、漢方薬入りおやつを導入する
普段の療法食(ロイヤルカナン ユリナリーS/O+CLT)を一切受け付けなくなったため、「コンボ キャット 腎臓の健康維持」をパラパラと上に振りかけたところ、少しずつ食べてくれるようになりました。
さらに、自律神経を整えるアガリクスや、ストレス緩和・精神安定に働く長白参(高麗人参)、ピンピネラなどの漢方成分が入ったペースト状おやつ(iPawなど)をあげると、フード拒否時でもペロペロと舐めて元気を取り戻してくれました。
5. 整腸・消化管運動のサポート(獣医さんとの連携)
フェロモン製剤(フェリウェイなど)の活用や専門家への相談も重要ですが、我が家の場合はリンパ腫の懸念もあったため、獣医さんに処方してもらった消化管運動促進剤(モサプリド)なども適切に併用しながら、胃腸の動きをサポートしました。
結び:時間をかけて、彼女のペースで
PTSDからの回復は、一朝一夕にはいきません。 しかし、飼い主が焦らず、深い愛情と穏やかな環境を提供し続けることで、猫の脳内の「恐怖ネットワーク」は少しずつ上書きされていったように思います。
今回の件で、これまでのサロンに比べると格段に綺麗でふわふわに仕上がるサロンではあったのですが、残念ながら私は二度と彼女をそのサロンへ連れて行かないことを固く心に誓いました。仕上がりの美しさよりも、彼女の心の平穏(QOL)を守ることの方が何百倍も大切だからです。
静かなお部屋で、好物の漢方ペーストを少しずつ舐め、アルミ袋で小分けにしたフードを自分のペースで口にしてくれるようになったレアちゃん。 「もう大丈夫だよ、ここは誰もあなたを傷つけない安全な場所だからね」と話しかけると、トコトコと寄ってきて膝の上に頭を乗せてくれました。
リタイアして起業し、自分の時間を自由にコントロールできる今だからこそ、彼女のペースに寄り添える幸せを感じています。
もし、トラウマを抱えた愛猫ちゃんがいらっしゃるようであれば、どうか焦らず、愛猫ちゃんの「安心」を一番に作ってあげてくださいね。
レアちゃんにあげた回復フード
エイジングケアピューレ 犬猫兼用 国産鶏肉&鰹ブレンド
いわゆるチュールタイプのおやつです。再春館というメーカーが作るので、安心してあげられました。
成分に含まれているピンピネラや高麗人参は下記のような効果があるようです。
ピンピネラ:欧州などの伝統的なハーブ利用では、消化不良の緩和や腸内環境を整える目的でお茶やチンキとして使われてきました。
高麗人参の長白参:ストレス緩和・精神安定など、自律神経のバランスを整え、イライラや心身の緊張をしずめる働きがあります。
iPaw 猫のおやつ 高級漢方食材 腎臓配慮滋養食 かつお 6本入り 13g
台湾で生産されていて、アガリクス配合 ピューレ ペーストタイプ ご褒美 全猫種 全年齢対応 増粘剤無添加 着色料香料不使用とのこと。高級漢方食材とか書いてあるし(;^_^A
これもよく食べてくれて、元気になる助けになったように思います。
コンボ キャット 腎臓の健康維持
以前はファルミナを食べてくれていたのですが、今回はダメでした。それで何かないかと探してみたら、小分けのフードを見つけたので、これを出してみたら、バクついてくれました。鰹節がまみれているのも、レアちゃんの好みにあったようです。
窓辺がお気に入りのレアちゃん

ソファーベッドに置いたレアちゃん用枕にちょこんと顔をのせて


可愛すぎる(親ばか(;^_^A)

モフモフ(。・ω・。)ノ♡
